文化財詳細
種差海岸
文化財区分:
名勝
時代区分:
昭和時代、昭和前期
指定区分:
国立公園
収蔵場所:
その他(民有地他)
八戸の海岸線のうち、蕪島の南から大久喜に至る延長12キロに及ぶ海岸とその後背地を含めた約880ヘクタールが昭和12年に国の名勝に指定されている。
種差海岸は、荒々しい磯浜と穏やかな砂浜が交互に続く海岸線と、広大な芝草原、大小の岩、松並木などが織りなす自然美にあふれている。
この海岸は、ウミネコの飛翔地となっているほか、夏に「やませ」と呼ばれる冷たい海風が吹く冷涼な気候、岩場・砂浜・草原・湿地といった変化に富む環境により、ニッコウキスゲやスカシユリのような色彩豊かな花々、そして海沿いの高山植物など、650種以上にもなる多くの植物が生育している。
また、この海岸は古くから人々の生活の場でもあり、馬の放牧によってつくられた芝草原や魚付林として植えられたクロマツの松並木などが現在も残されている。
種差海岸は、複雑な海岸地形や多種多様な動植物、そして人間の生活によって形成された風景など、ほかでは観ることのできない景観が評価されて名勝に指定された。
なお、種差海岸は、平成25年に環境省によって「三陸復興国立公園」に指定されている。
解説執筆者 : 八戸市教育委員会社会教育課
推薦文献 : ①石津正廣 2004『種差海岸に咲く花々』②八戸市 2005『新編八戸市史 自然編』